「米国株を始めたいけど、資金が少ない…」という人でも、1株(あるいは小数点単位)から始められます。本記事では、1株投資の仕組み・必要な手続き・注意点を初心者向けに整理します。
結論(まずここだけ押さえる)
- 1株投資=1株単位で買う方法。銘柄によっては小数点(フラクショナル)での購入にも対応。
- 少額で分散できる反面、為替・手数料の相対負担に注意。NISA活用で税コストを抑えると有利。
- 米国配当には米国10%源泉+日本20.315%。確定申告で外国税額控除を使うと二重課税を調整できる。
1株投資の2つの形:1株単位/フラクショナル(小数点)
1株単位(Whole Share)
- 注文数量は1・2・3…の整数のみ。
- 「1株=数百〜数千ドル」の銘柄だと最低投資額が大きくなる場合がある。
フラクショナル(Fractional Share/端株・ミニ)
- 0.1株や0.01株のように小数点で買える。
- 少額で有名銘柄へ分散投資しやすい一方、手数料やスプレッドの相対負担に注意。
はじめ方:口座開設〜購入までの流れ
- 証券口座を開設(本人確認)
- W-8BENの提出(米国配当の源泉10%適用)
- 入金と為替:円→ドルに両替 or 円貨決済対応を選ぶ
- 注文方法を選択:成行/指値、フラクショナル対応の有無を確認
- 約定・受け渡し(T+2)、配当・分配金は口座へ入金
- 自動再投資(DRIP)を使えるならONに(対応銘柄のみ)
コストと税金:実質リターンを左右するポイント
手数料・スプレッド
- フラクショナルは売買単位が小さい分、手数料比率が上がりやすい。まとめ買いや定期積立で最適化。
- 為替スプレッドや両替手数料も要確認。為替手数料の低い方法を選ぶと有利。
税金(ざっくり)
- 配当:米国で10%源泉(W-8BEN提出前は30%)→日本で20.315%。
確定申告で外国税額控除(限度額あり)を使うと、米国分の多くを調整可能。 - 売却益:米国は原則非課税、日本で20.315%。
- NISA:日本側の課税が非課税(※米国の10%源泉はあり)。
少額スタートでも失敗しにくい設計
- コア:S&P500/全米などのインデックスETFを1株(or フラクショナル)で積立
- サテライト:関心の高い個別株を少額で試す(値動き学習&分散)
- 自動化:定期積立とDRIPで「考えずに続ける」仕組み化
よくある疑問Q&A
Q1. 配当はフラクショナルでも受け取れる?
はい。保有割合に応じて按分されます(端数処理は証券会社の規約に従う)。
Q2. 端株(ミニ)でも議決権はある?
国内外ともに、端株・小数点は議決権なし(または制限あり)が一般的です。長期保有者特典も対象外のことが多いです。
Q3. 為替はいつ換えるのが有利?
長期では予測困難。定期的に分散して両替する(ドルコスト)か、円貨決済で手数料水準を確認して選びます。
チェックリスト(今日からできる)
- フラクショナル対応の有無・手数料・為替コストを確認
- W-8BENの提出状況を確認(10%源泉の適用)
- 積立日・金額・買付対象を固定し、ルールで継続
- NISA枠を優先活用(国内課税の回避)
免責事項:本記事は一般的情報の提供を目的とし、特定商品を推奨するものではありません。税制や手数料は変更される場合があります。最終判断はご自身で行ってください。
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